EVとハイブリッド

三菱益子社長「i-MiEV 廉価モデルは走行距離を短くする」(レスポンス、2011年6月13日(月))
三菱自 今夏、実質200万円以下で購入できる「i-MiEV」を発売(環境ビジネス.jp、2011年6月16日(木))
三菱自動車が「i-MiEV」の生産を軽自動車ラインへ移管、能力増強日本経済新聞、2011年6月17日(金))
2011-05-23 - Mr. Epigone 『プリウスVSインサイト』


三菱がi-Mievを198万円に大幅値下げした。航続可能距離を160kmから120kmにしてコストは削ったが、それにしても頑張っている。プリウスより安いが、さすがにインサイトの最廉価グレードやプリウスEX(≒旧モデル)よりは高い微妙な立ち位置。
レスポンスの記事では、“益子社長は「ウィークデイに40kmくらいしか走らない人が8割いるので、そういう人は(1充電当たりの走行距離が)100kmや120kmあれば十分と思う」とした上で、「使い方によって、距離か金額かを選んでもらえればいい」と述べた。”とのこと。ベース車のiそのものが、スマートのようなマイクロカー思想のもとに作られてるからね。


価格的には、今までのi-MiEV日産リーフが、公用車としてギリギリ買えないこともない300万円をひとつのボーダーラインとして設定していたのに対して、新しいi-MiEV一般ユーザーにも手が届く200万円を一つのボーダーとして設定されたことは明白。そう思えばやはりすごい時代になったと思う。かつてのプリウスのように、原価差を維持費で元を取る必要性が少しずつ薄れていく
トヨタもホンダも将来的には全車種のハイブリッド化を目指している。しかし、i-Mievのような小型車から順に、一気にEVにならないとも限らない。インフラの問題は相変わらず立ちはだかりますが。ガソリンの運搬や貯蔵は他よりは簡単だもんね。


2010年度は8,500台も売れたのか。それでもWikipediaのi-MiEVの記事を見れば、“損益分岐点は年間販売30,000台に対し、生産計画は2009年度に2,000台、2010年でも8,500台でしかない。これは電池の生産能力にボトルネックがあるためであり、数百億円の投資などを経て同社では2012年度以降の黒字化を目指している。”とのこと。
商用車ラインから軽四輪ラインに移管されて、生産能力は14台/時から49台/時になる。価格も下がる。それでも損益分岐点には届かないと思うが、社会のため、将来のために、三菱はi-MiEVでもって、ハイブリッドカーではなくEVの軽自動車を選んだのだな。最初、車内では細々とやっていたらしいけど……?




続いてトヨタプリウスαプリウスのワゴン版である。基本的なコンポーネントプリウスと共通、エンジンも共通。いい意味で変わっていない。
想定されていた月間生産台数は3,000台、キャパシティいっぱいいっぱいで4,000〜5,000台ってとこ。そこに1ヶ月で52,000台の受注をもう受け付けたという!
参考までにプリウスは月販目標10,000台のところに180,000台を受注している。倍率的には約18倍で同じやねw
インサイトの時もすごかったけど、プリウス連合の勢いは止まらないんですね……。


トヨタはこういったプリウス派生車の展開から、トヨタ店トヨタカローラ店トヨペット店ネッツ店(、故・トヨタビスタ店)に続くプリウス店」の創設を画策していると聞く。この10年でプリウス”という名前がハイブリッドカーの代名詞になったことは明らかであるし、プリウス店そのものは短期中期的には将来的にもうまくいくと思う。ただ、長期的な将来に前者ハイブリッドカーが達成されたり、EVが普及し始めたりしたときに、トヨタのエコイメージブランドとして“プリウス”は生き残り続けるのか、或いはまた新たなエコイメージを創り出すのか、それを俺は自分の目で見届けたいと思うわけです。