Smile


周囲のみんなが『阪急電車』を見に行きまくってるここ数日、目と耳にやさしい音楽や映画が恋しい。
音楽はまだ自分の知識内で自己解決できるのだが、映画に関しては俺も素人なものだから、何を見たらいいのか分からない。
ヒューマンドラマ的なもので好きな映画といえば、『フォレスト・ガンプ』『ターミナル』『僕のピアノコンチェルト』あたりを挙げるのだけれど(トム・ハンクスが2連チャンなのは偶然)、うーん、求めてるのは、もっとレトロでモノクロームだったりセピア色だったりする世界。古くて心温まる映画が観たいな。
決してアクションものも戦争ものも見たくないし、興行収入○億円! 歴代来場者数○位! みたいなのからは一気に解放されてみたい。最初からそんなものはこだわってないが。


2005〜2008年くらいまでは、TSUTAYAの洋画カタログがトイレに置いてあって、だいたいそれを読んでいたから映画の知識だけは少々あるくせに、見たことのない映画も多いのだけれど(これがきっかけで観て面白かったものもある)。何かオススメはありませんか……?
出来れば洋画で、しかも戦争ものが見たいわけじゃないと言うと、注文が細かすぎるか。邦画で中井貴一の『ビルマの竪琴』(これは新しいほうのバージョンらしい)なんかも観たけど、好きかどうかと言われると微妙なので……原作は好き。


ちなみに『フォレスト・ガンプ』も『ターミナル』も『僕のピアノコンチェルト』もうちにDVDはなくて、3年ほど前(だったと思う)に一時的にWOWOWを契約していた頃に観た映画ばかり。当時高校2年生でわりかし暇だったからね。今でも、レンタルビデオ屋に行けばいいんだけどさ。
他に好きな映画をあげるなら『2001年宇宙の旅』『タイム・マシン(2002年版)』『アンドリューNDR114』などのSF系、『ドリヴン』『ミシェル・ヴァイヨン』などのカーレースもの、『アマデウス』は音楽、『スカイ・クロラ』『涼宮ハルヒの消失』『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』といったアニメあたりになるだろうか。『スーパーサイズ・ミー』などはここにカテゴライズしてないうえに、ベッタベタな映画だけど『7月24日通りのクリスマス』なんかも実は観ている(キャストはメジャーなのにまったく知名度がないあたりに、ゴリ押しな宣伝が如何に重要かが透けて見えるという意味でも好きww)。
一番映像化して欲しいのは長編ならハインラインの『夏への扉』、短編ならロバート・F・ヤングの『たんぽぽ娘』とかどちらもSFですのよ。あとは吉田修一作品が割と好きでずっと読んでるけど、だいたい面白そうなのは映像化されてるね。テレビ受けしない地味な、重い奴は仕方がないけど。あーでも悪人は初ミステリなのに売れたなぁ。
うちは流行り物の映画のDVDは大体親父がレンタルビデオ屋から借りてきてコピーされているのだけれど、古い映画を借りると言っても、自分の青春時代に流行したようなものを見返す(父にとって原体験であったのならそれを観直すことに意味はあるのだが)ことがほとんどで、レトロな映画、クラシック映画とまで言えるものはうちには1枚もない。
だから何か観てみたいなぁと思うわけです。京都の四条界隈なんかいろんな映画館があるけど、古いのばっかりやってるところもなかったかい? 今は『素晴らしき哉、人生!』が観てみたい。


HoSoNoVa

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Listen To The Music 2

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モダン・タイムス [DVD]

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そんなクラシック映画のきっかけ。
細野晴臣HoSoNoVa』(2010)でも、槇原敬之Listen To The Music 2』(2005)でも、Charles Chaplinの『Smile』がカヴァーされていたことにきっかけを得て、チャップリン『Modern Times』(1936)を見た。
大恐慌どん底にあるアメリカで流れていたという『Smile』。そして大不況と震災のさなかにある日本。2つの時代がオーバーラップするような感覚。
工場、効率化、ストライキ。職のない労働者があふれかえる時代は今が初めてではない。俺たちが“コモディティ”とか“限界効用”とか“需要と供給”で処理してしまうものの裏にある人間や人生。当時はまだ「機械の開発が人間の職を奪う」時代だったようだねぇ。
効率化という観点でいえば、作業しながら食事ができるマシンなんてのは、滑稽だった。あれから80年近く経って未だにそれが実用化されていないということは、必要ないんでしょうw 人間は経済的・技術的発展だけじゃ生きていけないよ。人間らしい感情、食事を楽しみたい欲求は、少なくともこの80年で変わらなかった、ということかねぇ。
ただ、意図したかどうかは分からないけど、「働いて働きすぎて発狂する」チャップリンと、「働けない、仕事が見つからなくて苦しむ」チャップリンと両方が描かれてるんだよね。この対比。なんというか、どんな仕事でも働けてるだけマシなのかなぁ、とも思ってしまう。
こういう映画を見ると、「安定した生活」の対極にあるような、流動的な生活がしてみたいような気もする。前にも話したかもしれないけど、人の職業や立場が変わるっていう話ね。変わって当たり前、みたいなことを言った。
うーん、一人で生きていくだけなら、それでもいいような気もするんだけどね。家庭を持つことの大変さを考えます……。


蛇足ですが次のサークルのライブで『Smile』カヴァーする決意を固めました。



Smile
Lycirs : John Turner, Geoffrey Parsons
Music : Charlie Chaplin

Smile even though your heart it is aching
Smile even though it's breaking
When there are clouds in the sky
You'll get by...
If you smile through your fear and sorrow
Smile and maybe tomorrow
You'll see the sun come shining through for you

Light up your face with gladness
Hide every trace of sadness
Although a tear may be ever so near
That's the time you must keep on trying
Smile, what's the use in crying
You'll find that life is still worthwhile
If you'll just smile
Smile...