冷え切った需要について真面目に考えてみた

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今日の5限目に迫った日本経済2(篠原教授)の中間試験から現実逃避を図るために、YMO聴きながら文章書きます。俺とRydeenセッションしてくれる人募集中。

最近は空を撮るのにハマっています。いや札幌行っても豊郷行っても撮ってたけど。空は嘘をつかない。撮影者の撮りたい色を撮らせてくれるし、角度ひとつで様々な表情を見せてくれる。

今回は(たぶん)久々の自動車論と、新メディア=ブルーレイの普及について。


必修科目にもかかわらず、あまりオフィスコンピューティングの講義を真剣に頑張っていない俺。先生っていうかマニアなんですよね……。話してる内容も雰囲気も全てが。いや別にいいんだが。
パソコンの、いや計算機の歴史を紐解くことでコンピューターの仕組みを学ばせんとしているのは分かるんですけど、明らかに今使われていないものってあるじゃないですか。ハードウェアなら、フロッピーディスクや磁気テープ。LDなんか今時使ってる人がいないのと一緒で、既に旧式になりましたよね。OSもMS-DOSやらDOS/VやらPC-98やらの話をされても……ねぇ。無駄とは言わないけど反応に困る。


ほとんどWindows XP以降しか知らない俺達はたぶん“オートマ世代”、つまりオートマ限定免許が恥ずかしくなく、またマニュアルの車を運転する必要性もなくなりつつある世代です。俺の造語ですが。
若者のスポーツカー離れ(笑)も、原因の一端はこの辺にあると思ってるけど、別にこれだけが理由じゃない。BMWミニやスイフトスポーツやヴィッツRSのような買いやすいホットハッチは相変わらず存続してるし、高級スポーツカーは2ペダルMTやセミオートマの類を頑張って導入してる。それでもスポーツカーが人気がないというなら、俺は今の若者はむしろ賢いと思う。こんな不安定な時代にバブリーなクルマなんぞ乗ってられんと見切りをつけたのだから。スポーツカー乗りにおっさんが多いのは、経済的に豊かだというだけでなく、スポーツカーがカッコいい価値観で青春を過ごした記憶がまだ残っているからじゃなかろうか!


ところで最近、ミニ(オースチン/モーリス・ミニ⇒ローバー・ミニ⇒BMW・ミニ)の歴史を個人的に学んでいて気付いたんですが、俺は復活後のミニのような、クラシカルなデザインでメカニズムはコンテンポラリーなクルマに乗りたいと思うらしい。フィアットの500とかもそうだな。
ロータス7に始まるニア7の類は、復活もクソもない、何十年と変わってない(変えようがないくらいシンプルだから)。しかもストイック過ぎて実際に乗る気はしないが。
まあ、こういうクルマを思い出してみると必ず出て来るのがミラジーノ。確か98年の5代目ミラと、その次の6代目にあったと思う。6代目の方はキンモクセイのCMソングのイメージしかなくてよく知らないのだが、5代目はフロントマスクがオリジナル、8本スポークのホイールやオリジナルのメッキのバンパー、テールランプにもドアミラーにもメッキと、とにかく差別化がすごかった。なんか段々ミニに見えて来るから困る。
初代ミニはモデル末期には本国イギリスよりも日本の方が売れてたらしいから(という話を9年くらい前に聞いた)、ミラジーノも需要はあったんやね。
今どうなってるのかと思って調べてみたら、ミラココアというただのほんわかモデルになってました。BMWミニが本格的に復活した近年、ミラジーノはその役目を終えたのかもしれません。
そう考えると日産のバブルの遺産……パイクカーだっけ?PAOとかBe-1(自動車用語辞典導入したら変換候補出よる……すげー)も、今リメイクしたらそれなりに居場所はあると思うけどな。
トヨタテクノクラフトなんかも、オリジナルのボディをかぶせたりしてクラシック風のバスをちょっと作ることはあるけど、この分野で最強なのは光岡でしょう。山梨か富山か忘れたけど。彼らはいつも厳しくなる衝突安全や保安部品のルールと戦っている。今時そんなもんと戦ってるのは日本ではここだけか、ひょっとしたら鈴商くらいじゃないのか。今度日産から新しいマーチが出たら、また新しいモデル作るんじゃないかな。


さて、話は変わりますが、最近レンタル屋に行ってもブルーレイが洋画のメジャータイトルしかなくて憤慨しています。
PS3の登場からそろそろ3年、DVDよりも普及スピードが明らかに遅い。うちもSing All Loveを買い換えない限りブルーレイが入る予定はありません。見られるのも今のところ俺のPCだけやし。
1枚にウン十GB(ごめん、具体数知らないんだ……)入る革新的な?メディアなのにこれだけ普及しない理由。PS3と合わせて考えてみました。
2000年代初頭のDVDと比べて、別に価格が高いとは思わないんです。確かにこなれてくるのはちょっと遅いけど……。でもそろそろ人気出て来てもいいはずなのに、このままじゃ痛みを伴う改革(地デジ化と同様の意味で)に踏み切らざるをえなくなったらどうするよ。


たぶん、ブルーレイが普及しないのは、DVD(とPS2)が、値段の割には完成されたメディアであるからだと思うんです。VHSからの切り替えでデータが劣化しないディスクになり、ケースの厚みがちょうどVHSの半分になった。これがDVD最大のウリで、そしてそれはブルーレイでなくても既に達成されている。画質も記録時間もそこそこ、しかも今となっては安い(俺自身、物足りなくなってきたのは最近の話)。これでたぶん大半のユーザーは満足してしまっているんだと思うんです。PS2についても同様に、最近は特にキャラクター物のゲームが多いからなおさらPS3は要らないんですよね。
確かに、電器屋に行けばフルHDのテレビやブルーレイやPS3はあるし、見たら見たで画質とかに驚くんだけど、10年弱(DVD普及期とブルーレイ黎明期は5年くらいしか空いてないんじゃないの?)で高いカネ払って買い換えるのもなんだかな、と。だから、ちょうど万博の展示物を見るような気持ちでブルーレイを見ている人はきっと多いと思います。最近はそこに3Dテレビが加わりましたね。あれも当面普及しそうにない。地デジ化で未来の需要無理矢理を繰り上げてきたのに、このタイミングで出されても困るわな……あと2〜3年早ければ良かったんだけど。再来年辺りからの数年間はテレビ業界にとっては地獄のような未来が待ってますよ。既製品のPCにもテレビチューナー付いてるし、ワンセグはいつの間にか感度とか地道に進歩してたし、PS3にはtorneという強力な味方がついている。


しかも、手っ取り早く雰囲気で説明しますけど、「テレビを地デジ化したからブルーレイも買おう!」じゃなくて「テレビ買い換えてお金ないんだからブルーレイなんか買えない」なんですよね。世の中全体にそういう嫌消費の空気が蔓延している。それは若かりし頃にバブル崩壊に遭い、浮かれていた自分達に気が付き己の愚(?)を省みたた人たちがこの失われた10年を経て、リーマンショック以降の世界を回す(⇔世界に追随し、振り回される)立場になったからだと思うんですが。


スケールの大きな話をするなら、実は今既に普及しているDVDと、先に待つ痛みも覚悟で政府が推し進める地デジ(余談ですがアメリカでは経済危機の影響を受けた人のためにアナログ終了を延期したそうな)は、近年の購買意欲の低下と相まって、コストパフォーマンスを加味したひとつの完成形(PS2はゲームの需要バランスの変化)として既に成立しているからブルーレイやPS3が普及しない、というのが俺なりの結論です。
個人的な話をするなら、みのりんのSing All LoveをDVD付きからBD付きに買い換えたいから誰か買って、というわがままですね。


昼飯食ってから日本経済の勉強してきます。