夢と憧れへの旅路

東京まで、行ってきました。

今日(5日)に異様に予定がなく、明日(6日)に異様に予定があるので今書いてます。こんな旅行記を書くのもずいぶんと久々ですね。

去る3月25日に東京のランティスからハガキが届き、4月2日夜に出発したわけですが、それまでが大変。外国語説明会のために18時まで田辺の同志社にとどまらざるをえなかったのでそこから疲れを感じながらも猛ダッシュ!足が痛かったので路線バスで新田辺駅まで行ったけどJR京田辺近鉄新田辺の中間地点で降ろされ、暗い田辺の街で迷う迷う!なんでアルプラザがこんなとこにあるんだよ!帰宅したのは20時過ぎ。乗り換えがスムーズに行かないとあっさり2時間かかります。
夕飯、風呂、身辺整理を済ませて自宅を飛び出したのが22時前でした。22時30分に京都駅に着き、無事に夜行バスへ。コンディションはまさに観光バスだったんですが、身体が小さいのを利用して隙間に足を伸ばしたりして何とか眠れました。


翌朝7時に東京駅八重洲口のBMWのディーラー前に放り出されました。帰りは八重洲中央口という辺りがまた余所者にはよくわからん。実地検証はしたので問題なく帰りのバスにも乗れましたけどね。


新木場までは東京駅から京葉線で10分程度。行きのバス代と合わせて4,500円くらい。新幹線なんかと比較にならないくらい安上がりですよね。この時点で朝の7時半、一応グッズ販売開始の時間は11時30分からだったので、のんびり場所確認でもしに行くか、と5分ほど新木場STUDIO COASTまで歩いて行くと。


すでに長蛇の列が。100メートルくらいあったんじゃないかなぁ。もしここで待ち始めたら待ち時間は約4時間、しかしここで去ると多分待ち時間は二次関数的に跳ね上がるし、最悪の場合並んでも買えないかもしれない……ので、列に並ぶことにしました。
いやあ、その列に並んでいる間がカルチャーショックだった。当然のようにコミュニティ(mixiのではなく、単純に仲間同士の寄り合いという意味で)が至る所にできており、要するにみんな知り合いなんですよ。他の会場とかで何回も顔を合わせているんだろうけれども。列の構成は約85%が男、一番若いのが俺くらいの年代で年長者は40代後半くらいじゃないかな。たまにかわいい女性とかが並んでたりする。服装がやっぱり独特で、みのりんのファンクラブのロゴのついたパーカーやバック、あとツアーのブルゾンやTシャツがやたら目に付いた。多分彼らなりの気合の入れ方なんだろうと思うんですけどね。でも俺はそっち方向に走らず(走れず)、かつおかしくなく分かりやすい服装だったからこそmixiを使って他人様にコミュニケーションが取れたわけで、「m.s.s.(ファンクラブ)のパーカーの下にツアーシャツ着てトレッキングシューズ履いてm.s.s.のバック持ってます」なんて説明したら間違いなく500〜600人が完璧に当てはまるんじゃないかと思うくらい。いやマジで。
しばらくは独りで並んでいたんですが、独りだと退屈なうえに、周囲には既に集団。俺は最終手段を最初から使うことにしました。mixiみのりんコミュにアクセスし、同じように独りで来ていらっしゃる方と合流したんです。たまたま御年も近かったのですぐ仲良くなれました。そのうち近くにいた方とも打ち解け、そのまま他の集団に入れてもらい、物販が始まるまで全く退屈することもありませんでした。ただ皆さんかなりの強者で、分かりやすく言えば……「今度のみのりんのツアー、どこと、どこと、どこ行く?」とか、「今週はみのりん、来週は奈々さん、来週は栗林みな美のライブだ」みたいな感じで……いやいやいやいや!俺もう何にも予定ないですよ!?来月にたまたまリチャード・クレイダーマン見に行くとは思うけど、そんなアニメ・声優系のイベントにバリバリ参加するカネも時間も体力もありゃしませんで。話の内容もあまりにマニアックで正直何言ってはるかようわからん。
でも俺を余所者扱いすることなく親切にしてくださったことは嬉しかったです。メンバーの決まりきった排他的な集団でもおかしくないのにね。またこういうイベントやライブに行くことがあったらお世話になる可能性も無きにしも非ず。
列に並んでいる間に思ったこと。どれだけ公演を増やしても同じ面子で、回数が増えるだけということ。そして今回の公開録音、抽選に外れてる方が珍しいということ。だからハガキを出した時点で、言い様によっちゃ運の尽きだったわけですね。


結局物販終わった時には7人もの大所帯で昼飯を食うことになっていた。定食屋だったけど、ありゃ夜に飲み屋に変わるわ。ビールのポスターとか貼りまくり、BGMは昔の歌謡曲だった。キャンディーズの『春一番』だったはず。嘉門達夫が「ボンレスハームですねぇ♪」って歌ってたアレです。


その後、同じグループの方にちょっとトラブルがあったもんだから、その解決とか、小さな話はありますが……今の俺くらいの頃からコミケとか行きまくってる筋金入りの方なんかにもお会いしました。うーん、いろんな人生があるもんだわ。俺みたいにいろんな分野にぬるぬると手を出してようやく音楽に落ち着いたヤツもいるし、スポーツに一生をかけてきた奴もいるし、一つの趣味に打ち込んでいる人もいる。それは大学においても同じこと。人の生き方っちゅうもんは人の数だけあると感じた次第でございます。


15時からまたSTUDIO COASTに戻り、15時30分頃には会場入り。小学校の体育館くらいのスペースに人がぎゅうぎゅう詰めになってキャパシティは2,400人。もちろん、みんな目当てはみのりんです。これだけの数の人間がみのりんファンという一つの共通認識の許に集まっているので、例えば他人の会話一つ取っても、地元に帰れば自分しか知らないようなことがまるで一般常識のように(そう、ファンの間でのマニアックな知識というのは、一社会における一般常識なのだ)飛び交う。その異様さに圧倒されていました。仮に一度そんな社会に入ってしまえば日本は狭いのですが、入るまでは日本には1億2,000万人もの人間が住んでいて、それだけいれば趣味がカブる人間はこれだけたくさんいる。


さて、お待ちかねのradio minorhythm公開録音スタート。詳しい内容は水曜日に公式サイトからまた発表があるでしょう。通常は30分番組ですが今回は丸2時間にわたる特大号。マイPCがなかったり、変に芝居がかった声優のラジオに興味がないこともあって普段はradio minorhythm、聴いてないんですけどね。でも楽しかった!番組としては3周年記念ということで(俺の高校生活と丸々かぶってるな……メール出せば読んでもらえたかも)、JAM Project奥井雅美さんや、みのりんのプロデュースを手がけるElements Garden菊田大介さん、そしてみのりんのお父さんからのカンペ見まくりのメッセージ。会場大興奮、みのりん驚愕。
偶然にも『萌えみのり』なる品種のコメを販売している秋田の米屋の店長が招かれ、商品のイメージキャラクター『みのりん』とのコラボレーションが決定。地域の萌えキャラにしてはやたらクォリティの高い、かわいいキャラクターでしたね。イラストレーターに依頼してからラフ画が上がってくるまでが24時間以内という驚異のスピードだったのは、モチベーションが高かったからなのか仕事がなかったからなのか……でも言葉で依頼されてからイメージを膨らませて絵にするには、それなりに時間がかかると思うんですけどね。
俺は整理番号が600番台/約2400人だったので、それなりに前の方にいました。みのりんの顔もよく見えましたが、照明が当たった状態で遠くから見て一番印象的なのは黒髪です。普通に考えたら色の入った髪の方が目立ちそうなもんですが、綺麗な黒髪も実は意外に人の目を引くんです。これは滋賀県に帰って来てからもずっと思う。
最後にみのりん作詞作曲のオリジナル曲『一等星』がピアノ伴奏付きで披露されました。アコースティックver.がYoutubeに上がっていますが……以前からインタビューなどの記事で読んだことはありましたが、こういうシンプルなメロディと歌詞が彼女の原点だとしたらやっぱり嬉しいですね。みのりんの曲に限らず、今の曲は少しばかり歌詞がチープに、そして構成がトリッキーになりすぎた。俺が以前お話ししたように、みんな“アレンジ”ばかり聴いているからね。美しい歌声と綺麗な(抽象的で低レベルな共感ではなく、景色の美しさを素直に伝えてくれるような)歌詞があれば、みのりんは十二分にシンガーとしてやっていける。Elements Garden畑亜貴と言った付随する要素は、或いは商業的差別化のための記号に過ぎないのかもしれません。『涼宮ハルヒの憂鬱』で長門有希に出会い、茅原実里に興味を持ち、最初に彼女の歌声に惹かれてから2年半経って、ようやく本当の彼女の歌を聴くことが出来ました。それが他の誰でもないみのりんの創った『一等星』で、本当に良かったと思います。


興奮冷めやらぬ19時、俺は京葉線で東京駅へ戻りました。早3年の付き合いになる友人、もっちゃんに会うためです。
今まで3年間お世話になり続け、今回も疲労困憊と風邪でクタクタなのに無駄にテンションが空回り気味の俺を気遣ってくれたので、本当は何一つ恩返しなんぞ出来ていないのですが、とりあえずCLANNAD関連書籍二十数冊をお譲りしてきました。もっと安価で、ないしロハで明け渡さないといけなかったのにわざわざお金出してもらって……感謝の言葉はいくらあっても足りません。
ハンチングをかぶってボストンバッグを抱えてコインロッカー(朝に重たい荷物を隠した)の辺りをうろうろして待っていた俺は紛う事なき中東のテロリストです。サーセン
イムリミットは2時間、一緒に夕飯を食べて話し込むだけしか出来なかったのは惜しかったですが、その限られた時間の中でも土産物を買うのに付き合ってくれたり、くだらない話を聞いてくれたり。話がくだらないのはいつものことですが、頭の回転が良く無駄に知識量があるので笑いのセンスが高すぎる。ついて行けません。しかも昔の写真よりもかなり男前になられ、なかなかのイケメンでちょっとビビった。でも俺とメシ食ったりしたら間違いなく中東のテロリスト集団が日本に密入国しているようにしか見えなかったのは申し訳なかったような、そうじゃないような。
遥か遠いところに住んでいると思っていたら意外に行きやすい“関東某所”にお住まいだったので(プライバシー保護のため個人情報を伏せてお送りいたします)、これならその気になればいつでも行けそうです。夜行バスの便利さに味を占めましたね。


今度はきっちり日程を組んで関東に行きたいものです。友人も何人かいるし行きたいところも山ほどある。就職したら関東に行く可能性もありますが、一度1週間くらいかけてじっくり関東を回ってみたいと思っています。


もう9割方書き終えたので、最後に。
帰りの夜行バスで夜中3時に目が覚めたので、いろんなことを考えました。今までの人生、これからの未来、他人の生き方や自分なりの幸せの定義。
もう何年も考え続けてきたテーマなのに、ここ数日で急に新しい環境になり、東京遠征に伴うカルチャーショックが重なって、再び考え直す必要があると感じたのです。本来は他人の幸せには口出し出来ないんですが、やはり俺にとっての幸せは、いくつかの好きなものを日常生活を送りながら追い続けることだし、尊敬出来る人と一緒にいることなんです。でも今まであまり意識したことはなかったけど、ひょっとしたら俺は独りで旅をするということにも幸せを感じているのではないでしょうか。高校時代も何度か大小の旅をしましたが、遠路はるばる何かを見に行く旅だったり誰かに会いに行く旅であれ、或いは理由も行き先もない小さな旅であれ、そして交通手段が何であっても、俺は旅することそれ自体が好きなのではないでしょうか。まだ経験が浅いので、この分野に関しては自分で自分のことは分かりません。だから、これからの人生をかけて自分自身という“謎”を解き明かしていくことも、また俺の人生におけるテーマなのではないか。そんなことを考えて、故郷へ帰ったのでした。