かみさまでもえらべない。

10月です。毎度恒例になりましたが英語ではOctoberです。OctagonやOctopusから連想できるように“8番目の月”です。ユリウス・カエサルジュリアス・シーザー)とオクタヴィアヌスアウグストゥスのせいで2ヶ月ズレてることは8月1日『エンドレスエイト』に記してあります。

日本では神無月といって、日本中の八百万の神々が出雲大社でサミットをやる月でございます。ゆえに出雲だけは10月のことを神有月[かみありつき]と呼ぶそうな。
1年で見れば4分の3が終わり、モータースポーツや日本のスポーツではシーズンも終わりに近付いて来ます。しかしながら夏開幕の欧州サッカーなどはまだシーズンの序盤戦です。ワールドカップなどは夏開催だから重ならないんですがね(クラブワールドカップは重なる)。日本もそれに合わせようという意見が出されたこともありますが、日本の夏は湿気が多くてしんどいうえに冬は大雪です。高校サッカーだって東京ではありますが大雪の中で開催されたこともありますからコンサドーレ札幌のホームマッチとか想像しただけで恐ろしい。ああ、実際に却下された理由は知りません。
ちなみに日本橋とLDDT in 厚生年金会館に行ってから早くも半年が経ちました。まあいつかはそれが1年になり1年半になり遠い青春の思い出になり、その思い出は美化されてゆくのでしょう。

悪い思い出なんて忘れてしまえると分かっているのなら、今の生活にちょっとくらい面白くないことや気に入らないことがあってもそうそう腹が立ったりはしませんよね。
何だかんだで俺も怒らないようになりましたよ。故リチャード・カールソン氏には本当にお世話になりました。俺の人生を楽しく有意義なものにしてくれた恩師ですから、往生したら来世では彼に尽くしたいとすら思います。
俺もうまく怒りを受け流せるようになったのかな。怒り狂う自分なんてエレガントじゃないと一瞬思いさえすれば、何時如何なる状況であっても冷静さを失ってブチ切れ怒鳴り散らす自分などありえない、あってはいけないと思えるようになります。少なくとも俺自身に限って言えば、ありとあらゆる行動や、特に自戒のモチベーションは自身の美徳にこそありますからね。
プライドやこだわりを持って生きるっていうのはこういうことももちろん指しています。プライドは捨てるものじゃない。自分含めて皆が捨てていると思っている“プライドノヨウナモノ”は、ひょっとしたらただの意地なのかもしれません。


今回は少し新曲のレビューなどを優雅にやってみようかしらと思います。

フジテレビアナウンサー、高島彩中野美奈子によるユニット『Early Morning』の2ndシングル『かみさまでもえらべない。』。作詞作曲は我らが槇原敬之ですが……売れ行き好調です。オリコンウィークリーチャート4位はアナウンサーとしての自身の記録12位を大きく更新しています。実際にYoutubeで聴いてみたら素晴らしかったですねぇ。歌い方はプロっぽくはなかったんですが、元々の声が綺麗だから独特の心地よさがありました。歌詞も普通に読むだけよりはメロディに乗せて歌うと何倍も良くなりましたね。ただ歌い方にもう少し抑揚があっても罰は当たりませんよってに。
珍しく女性視点の曲です。自分が歌う時には絶対やりません。一人称も原則“僕”です。恋愛を通じて弱い“僕”をアイロニックに描くスタイルから、帰納的にせよ演繹的にせよ自分の生きる道や生き方を見据えて強くなる“僕”に作風が変わってもやっぱり“僕”だったのに。だからこそセルフカヴァーしたら新鮮かな?
カヴァーバージョンの方がいいじゃないか!という曲もたまにありますが(歌手でない人に楽曲提供した場合)、大抵は甲乙付けがたい場合が多いです。秦基博の『僕が今いる夜は』、鈴木雅之の『Boy, I'm gonna try so hard』『Gazer』、寺西一雄『Name of Love』などなど。


レビュー2つ目。「TVアニメ『涼宮ハルヒの憂鬱』新キャラクターソング Vol.2 長門有希」より『Under "Mebius"』『通過地点のMUSICA』。
前者に関しては数日前までGoogleで『Under "Mebius"』で検索するとTake Fiveが一番最初に来ていたんですが残念ながら28日頃にその地位を失いました。まあその地位はこだわりの表れかな。
前作『雪、無音、窓辺にて。』があまりの人気の高さから数多のリミックスが作られたり後の(中の人の)茅原実里の方向性を決めたりキャラクターソングとしては唯一オーケストラアレンジされたり、そもそもこの春までキャラクターソング史上最多売り上げ記録を持っていたりとものすごい歓迎を受けたので、たとえその過去の栄光を越えることが不可能であったとしても決して新曲を責めないと心に決めた上で買いました。
A面『Under "Mebius"』を聴いてまず思いましたが、前作の象徴であった(後に『Greed's accident』にも引き継がれた)ストリングスが廃されています。また細かいメロディを刻むのではなく、2分音符中心のやや間延びした音階、そして今までの茅原実里の声域を大きく逸脱した高低の落差がかなりショッキングでした。前作が転調こそやや不規則だったものの辛うじて音楽理論的にある程度収まっていたのに対して今回はものすごく外れています。keyのサウンドを聴いている感覚に近いかな。作曲者がけっこう実績のある人だったから期待してたけど少し期待外れだったわ。
普通地声でD、長門有希名義だとC♯までくらいしか出さなかった声も宇多田ヒカル並みのFまでファルセットで無理矢理引っ張り上げてきました。賛否両論あるとは思いますが個人的には×。ちなみに部分的に低音も男声並みに下がっているので、俺が自分で歌えるように今アレンジを施していますが、意図的に1オクターブ丸々ズラす必要が出てくるでしょうな。
B面“通過地点のMUSICA”の方がいい曲だと思う。歌詞が日本語としてちゃんと成立してるのは明らかにこっちやしね。A面はあまりに電波すぎて歌詞の評価ができません。B面だからまた四つ打ちのA面との差をつけるために3拍子にするとかシャッフルをかけるとかしてくるかな、と思ってはいたけど、8分音符3つを1セットにメロディを作ることで変化を持たせようとしましたね。こういうアレンジはピアノ的に面白いので好きです。


行きつけの最寄りのブックオフでマッキーのアルバムがLIFE IN DOWNTOWNまで徹底して350円にされてて時の流れを感じました。LIFE IN DOWNTOWNはまだ3年落ちなのに!!差額はトータル4000円弱くらいやけど、全アルバムを揃えて1年2ヶ月というタイムラグを考えれば仕方ないやね。皆さん、ファンになるならこれからがチャンスですよ。今すぐ追分町のブックオフに買い占めに来てください。そして一緒に来月10月25日の20周年を迎えようではありませんか!

でもその前に来月のシングルも楽しみだったりします。『かみさまでもえらべない。』の出来も良かったし、たまにはライフソングから外れてみてもいい時期じゃないのかな。