怪物と皇帝、そして代打の代打である現代の名工についての与太話

地震気付きませんでした。震度3では目が覚めないということを身をもって知りましたね。多少揺れた程度では目が覚めない。俺の眠りは深いなんてもんではなく、軽い(?)振動はおろか目覚ましがなければ自力では起きられません。低血圧でしょうか。
でも日光では起きます。だから寝る直前にカーテンを開けて寝ることで朝方の日光を浴びて気持ち良く目覚めることができるわけで。幸いにして俺の6畳一間は南東向きなので、そしてうちの向かいが住宅ではなく公園なので朝日が遠慮なしに射し込んで来やがります。素晴らしい。

今回の地震がかねてから噂されていた南海地震だったのかどうかは分かりません。しかし今回までの震度5以上の大地震のスパンが史上2番目に長かったこと、そして南海地震という実体のない恐怖に常にさらされ怯え備えざるをえない静岡県民の手際が驚くほど良かったことなど、特筆すべき点は山ほどある。

気付かなかったと言えば、今夏の『湾岸ミッドナイト』映画化も気付きませんでした。キャストとか見ても俺には分からんし。しかも公道バトルの実写映画化には嫌な思い出……黒歴史化してしまいたいような記憶がありましてね。頭文字Dの実写版がどうしようもなかったのさ。正直言って日本人には公道バトルの面白いレースなんぞ作れんのではないかと思います。アメリカに視点を移せばワイルドスピードなんかはなかなか面白いけれど……。
かなり前に取り上げた哀川翔の『SS 〜エスエス〜』なんかも俺は酷評したはず。あの映画の存在意義としてはあの当時の結論は三菱スタリオンとグループBにスポットライトが当たったことやと言うたけど、今となってはもう1つあると言えます。それは哀川翔本人がラリーにハマったこと。これに関しては次のパラグラフにて。

夏はモータースポーツの季節です。暑苦しいなんて言わないで!!
5月のモナコGPとインディ500、6月のル・マン24時間、7月のグッドウッドフェスティバル、そしてパイクスピーク・ヒルクライム!!
標高2900メートルから4300メートルまで(富士山は3776メートルです。念のため)の標高差1400メートルオーバーを僅か20km弱、10分強で駆け上がるとてつもない競技でございます。高地は空気が薄く気温も低いからエンジンはF1どころじゃないパワーが要るし、ドライバーも酸素ボンベこそあれ酸欠で意識朦朧としてくるらしい……だいたい4000メートル超の標高なんて日本にはありませんしね。
でもそんなパイクスピークで連覇真っ最中なのがスズキのモンスター田嶋氏であります。御年59歳にしてパイクスピークの王座に君臨し続けている。今年はスズキSX4改(もはや原型はとどめていない)で元世界ラリー選手権チャンピオンのマーカス・グロンホルムをぶっちぎって優勝。田嶋の敵はもはや人にあらず、残すは10分の壁のみです。

で、そんなパイクスピーク・ヒルクライム哀川翔も出場してきました。奴田原(ぬたはら)文雄さんという日本で2番目に強くて有名なラリードライバーに助手席ナビゲーター役を務めていただきクラス5位入賞。もはや素人じゃない。
去年秋のWRCラリージャパンにフォード・フォーカスで出場した時も見事完走を成し遂げましたが、今回はまた尋常ではない成長であります。やっぱり俳優は本番に強いのかもしれません。


モータースポーツの話が続きます。
ミハエル・シューマッハさんはやっぱりバイクの転倒による首の痛みを克服しきれなかったみたいで、来週末のヨーロッパGPでの復帰をキャンセルしました。とりあえず代打の代打はテストドライバーのルカ・バドエルさん(38)。“最多無得点出走記録保持者”の10年振りのカムバックですが38歳にして初ポイントも夢ではありません。俺としては生涯で1000ポイント以上稼いだミハエルさんも偉大やけど、その活躍の陰には10年以上の長きに渡ってチームに尽くしてきたこのバドエルさんの献身的な走りがあったことを忘れてはいけないと思う。1998年からの通算12年在籍は今年ミハエルの11年(1996〜2006)を抜いて史上最長になり、その長さはやはり信頼の証なのです。1日で200周900km、1レースの3倍を走りきるなんて芸当はテストの減った現在の若手選手には不可能。ましてや年間3万km越えは、シーズン中のテストが禁止された現在においては絶対に破れない記録になりました。あとフェラーリで走ったイタリア人史上最多周回記録も持っています。
地味ながらも、そして近年表舞台でその姿を見ることが少なくなりながらも全レースに帯同し粛々と準備を整えて待機、シーズン中テストのなくなった現在は主な仕事が冬場に集中する有様。それでも誰からも恨まれず、ただただフェラーリの絶対的な信頼によってのみ仕事をこなす名職人が最後に一花咲かせる姿、皆でその目に焼き付けませんか?

来たる8月19日にm.o.v.eの10thアルバム『anim.o.v.e 01』が発売されます。久々にm.o.v.e聴き返そうと思ったからiPod頭文字Dの歴代の主題歌をぶち込んでやりました。
トランスなんかは滅多に聴かないけどm.o.v.eだけは別格。ボーカルのyuriよりラップのmotsuの方に神がかった才能を感じます。ラップもここまでやれば芸術かもしれません。そう思っている。
10年以上に渡ってトランスとスーパーユーロビートというジャンルを浸透させ続けたm.o.v.eがついにアニソンカバーアルバムを出します。今年頭に9thアルバム『Humanizer』出したばっかりでは?
元々ニコニコ動画などと縁が深く、最近はアニサマライブとかにも参戦してたみたいで、俺としては頭文字D以外のジャンルに踏み込んでくれて非常に嬉しいわけでして。
普通のアニメファンもこれを機にm.o.v.eを聴いてみて欲しいね。まず走り出したくなってくるから。

でも今回のアルバムの曲目もかなり難しい。トランスに出来そうもない『愛・おぼえていますか』なんかはどうやってユーロに落とし込む?既に非公式Euro Mixが出回っている『God knows...』はどのように差別化する?リスペクト……否、パロディ楽曲からの逆輸入になる『Gravity』はどう昇華させる?などなど、楽しみな部分がまだまだたくさんあります。
ただ1つだけ分かるのは、彼らの10年以上のキャリアが、市場に出回っているアニメトランスよりも遥かにクォリティの高いアルバムを作る保証書になっているということ。つまり実力は出る前から折り紙付きというわけでして。
世間に氾濫する陳腐なアニメトランスに飽き飽きしてきたら、本家本元のm.o.v.eのトランスに飛び込んでみませんか?