夢の続き

ひたすら音楽の話。
1回コン絡みと、その事後報告まで。

ちょいちょい周りに話はしてましたが、テトラポッドの3人体制についてはじわじわと高評価が広がってたみたいですね。
あくまでイレギュラーであることを予めお断りしておきますが、まあ悪評ではなかったようで安心。もうね、それだけが怖かったのよ。
でも半分は自分がやりたかったってのもあるんです、今となっては。


総会の時にとんがりのみんなと少々話していましたが、帰ってきてからふと思った。絶対音感を人に教えるというのが可能なのかどうか、ちょっと迷ってます。
習得してしまうと、よほどの完コピ派でもない限り楽譜がいらないことになりますが、しかしちょっと落ち着いて考えてみて欲しい。


基本的に、特にロックバンドの人はそうですが、ギターやピアノ片手にというのはあっても、楽譜のノートと向き合いながら作曲ってのはまず、ないでしょ。鼻歌はある。
つまりそこら辺で売ってる楽譜って言うのは基本的には「他の誰か」が(実際にはそれ専門の人が)耳コピで採譜したものなんです。だから再現度がどうとかいう話になる。
つまり、楽譜なんてのはあくまで参考であって、遵守すべきものでは全くないはず。


ましてや、曲を書いている側の人間は、楽譜がどうとか考えるのではなく、手癖や経験や思いつきでフレーズを書くはず。
だからギターソロを完コピしたがる人とか俺にはよくわからない……。
だってオリジナルの人たちが思い思いに弾いているのなら、それをしんどい思いしてコピーするよりもこっちも思い思いに弾けばいいじゃないですか。


正直言えば俺個人にとっては、あまり楽譜をもらう側としては意味はない……。
自分から意思伝達するためには、楽譜が必要な方もいらっしゃいますので、一応簡単な読み書きはできますけどね。


でもTAB譜とかほとんど読んだことない。あんなめんどくさいものは知らんわ!
なんだかんだ言いながらもみんな、やっぱりこれからやる曲の演奏動画とかがニコ動やようつべに上がってたら、参考にしちゃうでしょ?
基本的に人の話を聞かない、そのうえ楽譜も読まない性格ってのは、将来的どころか現在進行形で問題ありな気がするんだがどうだろう。


自分が重視しているのはコピーするかどうかというよりもリズム隊のコード感ですよね。
まあ今までやってた、特にスピッツの群青なんかベースラインだった音符がトップノートに移されたりして神経質な人からしたら
そうとうカオスになっていた気がする。
無神経な人間にとっては想定の範囲内も甚だしいんですが。


これは別に必要に迫られたわけではないですが、高校時代のギター部の頃に、与えられた予算というものを基本的に楽譜に使うのですが、それも俺が使った記憶がない……。
そして何故か勢い余って書き上げた数曲のコード譜を、マイドキュメントの中から発見した。全部声優曲でしたよ。マイナー曲最高。


楽器演奏するときに、どこまで「適当」でやっていけるかどうか、それは悩ましいところかもしれませんが、あくまで個人的な、といつもの締めを使うなら、けっこう適当にやってもいいと思ってます。
ぶっちゃけ曲を止めさえしなければあとは空気が何とかしてくれる。
自分が楽器うまいとは言いませんが、ちょっとでも弾けるようになってくると、そこら辺のさじ加減がわかっちゃってやーね。



1回コンに用意していたこと。


もはや公然の秘密になっているというか別にmixi上で明文化していないだけですが、テトラポッドは3人体制で、俺がリードギターからシンセサイザーに持ち替えて1回コンに参加します。
鍵盤を分割するスプリット機能というものが、大体どんなシンセや電子ピアノにもついてるんですが、それを利用して左手をベース、右手をストリングスなどの楽器に当てました。一人二役という奴です。分かりやすく言えば、あずにゃんからムギ兼澪にジョブチェンジしたようなものです。


話が長くなってライブのMCでは話しきれないので、それに至る経緯をここに書いておきます。誰かに読んでもらうというより、これも自分のための記録。


ベースのヤムが怪我した後、メーリスを1回生のみんなに回しましたが、最初からそれと同時進行で、京大のツレにシンセを貸してくれるようにお願いしていました。正直言ってあまり人探しに時間はかけられなかったし、誰か立候補してくれるという期待もしていなかったし、自分自身が曲全体を(文字通りバンマスとして)把握していたので、第二案としてそういう作戦を用意しました。


シンセサイザーをベースとして使うというのは、まだシンセが和音ではなく単音しか出ないモノフォニックシンセサイザーしかなかった時代に(もちろんMIDI規格もない)、それをリードやベースとして、自動演奏ではなく人力で演奏して使っていた大昔のテクノミュージックにヒントを得ています。
ちょうど、いわゆるロックというジャンルから自分が距離を置いていて、電子音楽に傾倒していたので、あくまで俺個人にとっては、抵抗なく受け入れることが可能でした。テトラの他の2人が内心どう思っていたかは分かりませんが、変則的な3ピースバンドとしては十二分に機能していると勝手に思っています。他の2人の演奏は変わらず、自分が変われば済むわけですから、第三者から見ればパレート効率的かもしれませんけど、俺の主観からすればベストな選択です。自分がジャズベを持ち出すプランもありましたが、リードギター不在を嫌いお蔵入りになっています。


まあ、そもそもこういうふうに「自分さえ頑張ればなんとかなる」という思い込みが、失敗につながることもよくあります。
分野によってそれが可能なのかどうかよく考えるべきでしょうね。今回たまたま何とかなっただけで。本当は誰かに頼ったほうが、或いはベストだったのか、と思うこともあります。そこに、「人に負担をかけるから」という罪悪感が入り込むからこそ、こうやって一人で全て解決しようとしてしまう。
そのさじ加減が何時まで経っても出来ません。
でも次のバンドまでキーボードやる気はないんです。借り物やから。あくまでエマージェンシーだからこそここまで迷惑をかけながらテトラポッドをどうにかつなぎ止めてるわけ。


ここからは一気に話を変えて、セッティングについてのメモ。


ボックスで1人で再セッティングしてました。他のサークルの誰かが教授(坂本龍一)の『戦場のメリークリスマス』を練習してたのを聴きながら。
Juno-Gには純粋な意味でのスプリット機能はなく、レイヤーで2〜3種類の音を当て、その発音領域を分けることでスプリットと同様にしています。後述しますが、それを生かして右手をユニゾンでギターとストリングスを同時に鳴らしているセッティングも作りました。


まずほぼ全セッティングに共通するスプリットの分割点ですが、ベースをE♭4まで、アッパーをE4からで分けています。こないだ出たばかりのJuno-Giや、ライブ向けJuno-D/Diでもこういう風にスプリットの分かれ目を変えられるかな? 取説見たら、ワンタッチでいけるみたい。レイヤーでデュアルもスプリットも一緒くたにしてまとめてセッティングするのも、これはこれで便利やねんけどな。
今回(再セッティングで)用意した音色は7つ。今まで4つしか使ってなかったけど、もう一度メモを書き出したら欲張ってしまった。


1.エレキギター&ストリングス+ベース
『シーソーゲーム』で使用。ストリングスだけにしてたけど、物足りなくなった。あまり歪み過ぎず、かつちゃんとバンドに負けない存在感のある音が単音では出せない……エフェクト類もよく分かってないし。

2.サックス+ベース
同じく『シーソーゲーム』で使用。アグレッシブに荒ぶるサックスを探したら、自力では甘い音色しか扱えなくてワロタwwテラジャスコww
というわけでセッティング的にはここが一番の鬼門です。

3.ピアノ+ベース
『シーソーゲーム』『鱗』で使用。特に使用箇所は厳密には決めてないけど、便利やし。
ピアノの音も、アタックが弱くても前に出る音を出せた。エレピとかも考えたけど、たまたまアコピでいい音がありました。

4.ストリングス+ベース
『鱗』で使用。この曲のメインになる音色。ということはこのシンセ体制を象徴する音色。ちょうど鱗のストリングスもほとんど変えてないし、気に入っているセッティング。

5.ディストーションギター+ベース
『鱗』で使用。使いどころは2回くらいあります。

6.オルガン+ベース
『群青』で使用。これだけは原型とどめてないんです。ベースラインをトップノートに持ってきたりしているのが特徴。またオルガンだって原曲ではまったく使ってなかったけど、単音でも存在感を主張でき尚且つコードでもウザくない音となると、自ずとオルガンの音に行き着きました。考える方向としては悪くない。


7.ピアノ
これは純粋なピアノ。『鱗』のIntroだけ使用。シフトキーを押しながらでないと呼び出せないので、曲中ではなく曲の頭でないと使いづらい。



と、ここまでやったはいいんですが。


なんていうか、まあmixiでもTwitterでもちょいちょい話はしてましたけど、そして1回コンに居た当事者の皆さんはもうご存知でしょうけど、テトラポッド出られませんでしたね。みねきが高熱出しちゃって。関係者の皆さんにはご迷惑おかけ致しました。
当日だったから他の人にも頼めないし、俺がベースとリードとバッキングとボーカルを同時にこなせなかった時点でゲームセットです。俺がもう一人いれば出来たんですが、1人で3人分の仕事をしたいなら、千手観音にならないと無理です。


合宿もEVE祭も出なかったのは自分たちの判断なんで別にいいんですけど(曲を仕上げるのに時間がかかるのだ!)、その分1回コンのためにありとあらゆるものや時間を注ぎ込んできました。
何回もお話ししましたが、練習あるのにバイト入れたり、バイクで事故ったり、ライブ出たくないとゴネてみたり、(けいたさんにも言われたけど)次から次へと災難がありました。それらは全てメンバーの自己管理の問題です。今回もそう。
その度に俺はいろんな人の力も借りながら、一つ一つを、何故俺が全部やらなければならないのかと思いながらも、精一杯頑張って解決してきたつもりです。わざわざ試験前に丸一日つぶして京大まで行って、その夜に徹夜して勉強とシンセのセッティング&楽曲の再アレンジの両方やらなきゃいけなかったし(あの3曲は一晩で独力で仕上げたのだ! 楽譜を読み直す時間はなかった)、理不尽に耐えきれずに身体を悪くして病院行ったし。
それなのに最後がこういう結末になったことを、やすやすと受け入れられるほど、俺は達観出来ません。夏頃からずっとここに照準を定めてやってきたことが、あっさり無駄になるなんて思いもしませんでした。
先に言っておきますが、俺だけでなく、全ての評価は、結果が出ていないことに対して、プロセスだけで良くしてやれるほど、甘いものでもないです。病欠だったからといって無試験で入試はパス出来ません。何かしらの結果が出なければ全ては無意味です。


“本来なら”ヤムが怪我した時点で、或いは代役を見つけなかった時点でゲームオーバーになるはずだったから、或いはこれも必然だったのか――たとえ不運な40℃の高熱だろうが仮病だろうが狂牛病だろうが関係なく――と思わないこともないんです。そういう結末になるように宇宙のバイアスかかったんじゃないかとすら思います。


それでも出ることにこだわったのは、もちろん自分が出たかったことが第一ですが、他の3人が以前いたバンドも当日に出ないことになってしまっていたから。だからこそ、ここで諦める理由が俺にはさっぱり分かりませんでした。1人欠けたからもう出ないなんて、軟弱でナンセンスな理由でやめてしまうのはもったいないと思ったんです。
お膳立てしてもらって完璧に揃ってないとやらないのではなく、手持ちの財産を最大限利用するのが、何をするにも本来必要な考え方なんです。常に片手落ちのような生き方をしてきたから余計そう思います。


これで一番いろいろやった自分自身もそうですが、完全に何の罪もないいのっちが9ヶ月経って一度もステージに立てていないことが、本人がどのように思っていようが、やっぱりもったいないと俺は思っています。
俺から見えていたのは恐らくほんの一部分とはいえ、常にドラムのことについて勉強熱心なのを分かっていたから余計に、俺はいのっちのドラムも見てみたかったしみんなにも見て欲しかった。


もちろん自分がやってきたことも結実させたかった。それなりに評価があったことも分かっているから、しっかり結果を残したかった。


根性論を持ち出す気はありませんが、結局やる気でありモチベーションなんでしょう。それは面倒なことや大変なこともちゃんと受け入れて楽しめるか否かということ。楽器だってちょっとやってすぐ出来るようにはならない。
テトラポッドに対して俺はなりふり構わず全力だったけれど、自分に多少なりとも音楽の才能があるというなら、それをフルに使い切りたかったです。


とにかく、失ったものは戻ってきません。過去も変わりません。
だからといってごめんで全てを許せるほど、俺は優しくも甘くもないのかもしれません。
それが未熟だからなのか、或いは正しい反応・行動なのかも、今は分からずにいるんです。


とにもかくにもテトラポッドは終わり。
自分はサークルに残る意志はありましたが、出られなかった分、人も見つからないし。
何人もの手を煩わせたり、いて欲しくもないのに無理矢理入れてもらって続けたりするのは申し訳なさすぎます。


そして、今後の身の振り方について。


まず、とんがりぼうしは脱退します。
この1回コン終わったタイミングで辞める人が多すぎてワロタ。俺自身もその1人です。
かといってもう何もしないのかと言えばそれは全然違います。





まず1つ目。


事務的には確定してないですが、サークルを移籍します。気持ちは決定事項。


P.S.というアコースティックサークル。今年の秋に出来たばかりの新興サークルです。
自分は元々ロックの人間じゃないので、こういうサークルに移行するのもありじゃないかなと。
半月ほど前からこのサークルについては情報をキャッチしていたのですが、1回コン終わって帰ってきた日の夜にコンタクトを取り、行ってみて決めた。入ろう。
お金もとんがりほどかからないしね。飲み会も合宿も正直いらんのよ……。


とんがりに入った理由自体が、大きな組織なら自分の居場所もあるかもしれないし設備もしっかりしているから、という考えだったんです。それ自体は間違ってなかったんですが当時はなかったP.S.ができたことで、むしろ自分に合うサークルに入るという方向にシフトしつつある。


音楽的にももっとこう、簡素というか、音数や人数の少ない簡素な音楽のほうが好みなので、P.S.もいいんじゃないかなと。


先に断っておきますが別にとんがりアンチになるわけではないです。残る人は残る人で楽しんでサークル続けてほしいな、と思ってる。


あと、このサークルを知ったのがTwitterからだった、というのもありますが、新興サークルで、なおかつ顧問の先生が政策学部の方だということもあって、ソーシャルメディアへの理解が深いサークルです。
メーリス、mixiTwitter、そしてUstreamをフル活用してる。


こういう発信モデルに対して自分はすごく興味がありますし、時々そういう話をしてますよね。
分かりやすい例を挙げるなら、先週買った本なんかまさにそれ。

『未来型サバイバル音楽論』(牧村憲一津田大介、2010、中公新書ラクレなんかは、レーベルの歴史から始まって、Myspaceなどの新しい音楽発信が“ひとりレーベル”という形でWeb2.0時代のネットのあり方/使い方の提案がされていますしね(ネットメディアと音楽に興味理解のある方おすすめ)。


食堂とかの近くに活動場所があるんですが、見学に行ってみたら、元とんがりで一緒だったレモン君がいました。彼はLOVE&FREEに移籍すると言っていたのに! それも本当で、P.S.と兼ねるそうな。
素晴らしいキーボーディストです。っていうか1回コンの時、楽譜見ながら弾いてましたよね彼は……。あれは真似できない、いろんな意味で。
俺は未だに彼と円滑なコミュニケーションが取れないのですけれども……。もちろんいいヤツだし、特別仲が悪いでもないけど、会話の歯車が噛み合わない! 多分俺のせい。
まあ、例えば中高大と一緒でしたみたいな、そういう感じの腐れ縁になりそうな気がします。



2つ目。

UVERworldのコピバンにギターで参加します。
1回コン後の飲み会で2〜3人くらいにだけお話ししましたね。

ちょうど1回コンの時期くらいにオファーをもらい即答しました。それまでに地元での計画を2つ3つ失敗してるんで、今度こそ頑張ります。

もっと実態が明確になってからお話しようかと思いましたが、年明けになるそうなので、もうこのタイミングでお話ししましょう。でもまだ未定な事だらけなので、また決まったら詳しくお伝えできそうです。
自分自身はUVERworld詳しくないので、これからベスト盤から聴いて勉強してますがお詳しい方、また色々教えてくださいね。


3つめ。
三井寺ズ』とかいう楽しい寄り集まりで音楽やります。ソラニンやります。周りは初心者率高いです。結局自分が一番キャリア長いんじゃないかと。でもまだ5年もないんだぜ。


UVERworldと、アコースティックサークル、あとなんか仲の良いバンド。
とんがりをスタートラインとするなら、そこから逆方向、両極端な3つの場所で、自分は音楽を続けていくことになりそうです。