なみはや珍道中

大阪に行って参りました。

同伴者は毎度おなじみの変人仲間にして音楽の志をともにする同朋やまし。最近俺が『けいおん!』布教を進めています。
名目上の主たる目的はリチャード・クレイダーマン コンサート2010を見に行くというもの。でもそれだけにとどまらない1日でした。時系列順にお話ししていきましょう。


本来、草津駅に9時集合の予定でした。9時過ぎの電車に乗れば10時頃に着きますが、世間一般の店舗は大抵10時開店ですからね。なかなか理にかなった時間設定ではあったんですが。


俺が二度寝を経て起床した時すでにデジタル時計は9時に。これはマズい。
実は2日前の金曜日にも寝坊してたのに、また寝過ごしました……っていうか二回目の眠りに落ちてしまう精神力の弱さ!あまりに情けなくて家族には10時集合って言っちまいましたよ。やましがPSPパワプロやっててくれなかったら多分待つのに退屈で死んでたんじゃなかろうか。
盛大に80分の遅刻です。彼と出会って5年ほど経ちますが、今までで最大の失態でした。


しかし俺もアホではなかった!電車内で楽しく時間をつぶせるように、ステレオミニプラグの二股アダプターなんか持って行きました。しかしコレがかなり古いので調子が悪く、なかなか思った音が出ない……今度買い直します。


大阪駅ではまず梅田のナカイ楽器へ。阪急三番街よりまだ少し向こう、茶屋町の『阪急古書のまち』内にあります。なかなかマニアックなお店でして、敷地は小さいんだけどギターもエフェクターもパーツ類も種類は豊富。何故かネックやボディなどがバラ売りされていましたが、DIYでギター作れる人はそうそういないでしょう……でも世の中にはエフェクター作れる人間もいるらしいですね。
実は高級なギターだけでなく、Photogenicみたいな安ギターもあります。あれはあれでアリだと思うんですけどね。
阪急三番街店にも行きましたが大したことなかった。
阪急グランドビル店行きたかったが行き方が分からず。もう少しちゃんと調べればよかった。


『古書のまち』にはなんと楽譜専門店なんてのもあります。本のアウトレットと合わせて、紀伊国屋が運営してるんですけどね。もうスコアが充実してるのなんのって!草津では何となく見かけなかったようなバンドスコアまでめちゃくちゃ置いてあるよ!!大阪駅使ってる人って、恵まれてるよね。


昼食は適当にカツ丼屋なんぞ行きましたが、冷やおろしカツ丼に惹かれて初めて食べました。最近は大根おろしに無限の可能性を感じています。


その後地下鉄で谷町四丁目NHKホールへ。ここで開場1時半から10分前くらいだからちょうどよかったね。先月みのりん見に行ったばっかりなので行きやすかったです。客層は当然前回とは打って変わって、多分7割くらいpensionerだったんじゃなかろうか。でもちょこちょこ20代くらいの人がいたりハイティーンっぽい人がいたりしてホッとしました。若い人でもちゃんと知ってる人いるんだな。何気にみんな聴いたことあると思うんですけどね。

以下セットリスト。

Richard Clayderman Concert 2010
with Strings Trio & Percussion

PART 1
1. フラッシュ・エモーション
2. 秋のささやき
3. コラソン・デ・ニーニョ(少年の心)
4. シンドラーのリスト
5. メドレー
(ミレニアム・エンジェル⇒ノスタルジー⇒ルーム・ビア・ラグ)
6. エンジェル・オブ・ラヴ
7. 黄土高原
8. 世界の庭

PART 2
1. 美しき地球
2. ラプソディ・イン・ブルー
3. メドレー
(母への手紙⇒愛しのクリスティーヌ⇒ドランの微笑⇒夢の中のウエディング⇒星空のピアニスト)
4. アイルランド・メドレー
(ラメント⇒トス・ザ・フェザーズ)
5. マイ・トラベリング・スター
6. スティーヴィー・ワンダー・メドレー
(マイ・シェリー・アモール⇒サンシャイン⇒心の愛⇒イズント・シー・ラヴリー⇒迷信⇒サー・デューク)
7. 渚のアデリー
8. エンジェル・オブ・ラヴ
9. レット・ザ・サンシャイン・イン


実は演奏曲目があらかじめパンフレットで配られていました。そして会場の様子は……。
今回も2階席だったんですが、なんとカメラや巨大モニターが設置してあって、遠くからでもよく見える(字幕のフォントもデカかった)。双眼鏡忘れて行ったミスが見事に帳消しです。


最後にプレゼント+握手会があった。何そのコーナー!知ってれば何か持ってきたのに!
そんなファンとの距離、近くて良いんですかね。良いよね!
毎年この時期に来日してる(というか常に世界を飛び回ってる)ので、また何年かしたら行きたいと思っています。


ずっと座って、ゆったりと聴いていられるコンサートでしたが、クレイダーマンをそれだけのピアニストと言ってはいけません。さすがに30年以上来日を重ねているだけあって、日本でのコンサートをよく分かっていらっしゃる。通じないのを分かって敢えてフランス語で話し、ちょいちょい日本語を入れてくる。挨拶も、観客を盛り上げるのもお手の物。演奏止めて手拍子を求める余裕!なんかちょこちょこ変な小道具使うし!なんでレストランの呼び出しベルなんか持ってきたん?たまに使い終えた楽譜を客席にプレゼントしてくれる。共演者の女性には花を、男性には?花ではなく酒を。あと何なんだよ「お待ちかねの休 憩 です!」って!
コンセルバドワール(フランス国立の名門音楽学校)主席という経歴ですが、自身をあくまで“エンターティナー”として捉えていることは昔から変わりません。いつのインタビューを読んでも考え方は一貫しています。


テクニックに関しては……うまいどころじゃない。ただ、それを見せつけるようなプレイではなく、美しいメロディーを聴かせてくれているという印象です。観客あってのクレイダーマンだから、孤独に高みを突き進むのは彼のポリシーではありません。それよりも自分の持っているもので皆に楽しんでもらう方がきっと彼には大切なんじゃないかな。


選曲はもっとベタベタの定番曲ばっかりかと思ったらそうでもない。そうそうのはメドレーにまとめてしまったものもあったし、『レディ・ダイ』のように今回は演奏しなかった曲もある。自身のベタにこだわらず、洋の東西を問わずいろんなアーティストの曲を採り入れています。俺が知っているだけでもジョン・ウィリアムズ(映画好きなら絶対知ってる!)、ビリー・ジョエル坂本龍一(に限らず、日本の曲のレパートリーはたくさんある)、ガーシュウィンジェームス・テイラースティーヴィー・ワンダーなどなど……。特にスティーヴィーにリスペクトがあるのは初めて知りました。雰囲気やらジャンルやらいろいろ真逆な印象があったんですが、いざアレンジしてみたら意外にいけるんじゃない?サー・デュークの高揚感とか出せるのかよ、と思ったけど……めちゃくちゃカッコ良かったよ。語りだすと止まらないからこの辺で。



帰りは阪急梅田近くのヌー茶屋町にある石橋楽器梅田店に立ち寄りました。実は先ほどのナカイ楽器から目と鼻の先だったのですが、俺自身がそれに気付いておらず二度手間を踏むハメに。すいません。
しかしこの石橋楽器、チェーン店だからせいぜい大津パルコ草津イオンモール島村楽器程度だろうと思っていたら、関西最大級の店舗でビビりました。ギターもシンセも山ほどあるじゃないか!ドラム……は正直よく分からないけど、少なくとも俺がこれから音楽をしていく上で、石橋楽器とナカイ楽器だけあれば死ぬまでいけますね。もうどれだけテンション高かったか。欲しいシンセサイザーもあったし。
とりあえずここではフィンガーピック(中指の分買い忘れた!!ww)と、アコギの替え弦だけ補充しておきました。これまた微妙に安かったから、3セットまとめて買っておけばよかったかな……。
あとナカイ楽器にまた寄って、シールド買いました。1,800円くらいのヤツ。カネが無限にあれば何千円もするMonster Cable買うんですが、今はそこそこ安くて使えるものが欲しい。実は1,000円台の手頃なシールドが石橋楽器のほうで売り切れていまして……グレードを上げるか、500円の怪しげなシールドを買うかという選択しかなかったのでございます。まだ給料が入らないから高いもの買えないしね。
これであとはギター本体が来るのを待つだけだ。頼むぞJEUGIA


帰りに京都駅に立ち寄りました。唐突に甘いものが食べたくなってアバンティのクレープ屋に行っただけですが。
あと母の日にプレゼントなんぞを買いました。大阪ではプランターごと花なんか売ってたけど、4,500円もするのは買えないしね。俺、買えない買えないばっかり言ってるわ。うん、頑張って働いていっぱいお金もらおう。今の俺は勤労意欲めちゃくちゃ高いよ。平日のバイト、面接がまだあるみたいだから早く決まって欲しいんだけども。


やまし曰わく「今日クレイダーマンの印象が薄い」らしいんですが、それは多分早い時間(4時くらい)にコンサートが終わったからと、立ってガンガン応援したりしなかったから。強烈なインパクトに残る曲だってもちろんありましたが、基本的にはゆったりとした通常の心拍数で聴く音楽なのです。
普段バンドなんかやってても、たまにはこんな音楽も恋しくなって然るべき。そう思います。
よろしければ一度聴いてみてください。知らなかっただけで、絶対どこかで耳にしたことがあるはずですから。