Someday in the rain

えー。バギーの日記を読んでくれた方はご存知かと思われますが。
自転車で浜大津まで遠征して来ました。
完璧にバギーとネタがかぶるけど、同じ事を書くと九分九厘俺のほうが内容が長くなるのでこの際いいでしょう。綴ってやろうじゃないの。

小説口調になるのは、そのほうが書きやすいから。


その日、俺は予定通りの時間に起床した。
9時集合のスケジュールに従って、8時50分にバギー宅へと着いた。
これも全て遅刻魔の汚名を返上するためである。
高校に入ってから、時間に余裕を持って行動するという事を覚えた。

そして9時00分きっかりにメールを送ったのである。
せいぜい5分もすれば出てくるだろう、と踏んで。

そして返ってきた答えは、

「今、起きた」

ちなみに彼は昨夜12時就寝である。締め上げてやってもよかったが旅のはじめからトラブルを起こしても仕方ないのでやめにした。


9時20分、北田家を出発。
原動力つき4輪車(即ち普通自動車)では到底真似の出来ない道順を採用し(毎度の事だが)、とりあえず南草津駅の線路下を突破(ここまでの所要時間20分)。
土地勘のある方ならお分かりだろう。
そのままひたすら直進、矢橋の方面へとひたすら狭い歩道を走る。
1m足らず右側を自動車が猛スピードで駆け抜けていく。怖い。

近江大橋に至るまでの道順は詳しく説明しても仕方ないので省く。
分かる人には説明の必要はないし、分からない人に俺が口頭で話した所で理解してもらえるとは到底思えない……決して俺の文章力が低いからではない、と信じたい。

そして。とうとう俺にとっては初めての近江大橋自転車疾走。
失態だったのは、向かって右(北)側の補導を選んでしまったことだ。
道幅が広いため走りやすいが、対向車の向かい風のせいで異常なほど進まない。
しかしながらオーシャンビュー(湖だが)を右手に、何とか橋は突破(所要時間10分)。
とりあえず膳所公園へと逃れ、少し休憩を挟むことに。ここで確か11時前だった記憶がある。
ここで俺が持ち込んでいたブラックペッパー煎餅をガリガリとかじる。
今思えば喉の乾かないものにしておけば良かったと強く後悔している。

その後、少しスーパーに立ち寄ってバギーは飲み物を買った。
1リットルのペットボトルがなかったため、あろう事かカルピスウォーターの2リットルを買うという暴挙に出た彼は、この旅の間、終始その巨大なペットボトルを片手に携えていた。
2ℓなら体への負担が少ないウーロン茶などにしておくべきであることは俺しか気付かなかったようだ。それを黙っていた俺も悪い。


そのまま膳所高校の前を通り、下り勾配を突っ走って膳所駅よりもさらに向こうへ。
当初の目的地であるPARCOに到着。スペルを間違っているのはバギーである。
楽器屋、本屋を回り(5階だったか)、バギーは何故か漫画を買っていた。
草津サイドに戻ればいくらでも本屋はあろうに、何故ここで買うのかは俺にはわからなかった。どうやら情報網が甘かったらしい。
何となくその場の流れでゲームセンターへ直行。

軽く遊んだ後は昼食にしようと思って食堂を見たが、二人の琴線に触れるようなものはなく、吉野家の牛丼をむさぼる事を決意した。妥協点の落とし方はもう少し熟考する余地があったのかも知れぬが特に批判などはなかったのでよしとする。

そしてアーカスへ。目的もなく。
以前から作るかどうか悩んでいた頭文字Dのカードを作り、バギーとガチで一戦交えてしまった。
もちろんきっちり勝たせてもらった。そうそう簡単に彼に負けるわけにも行かない。

結局、何をしに来たのかは俺にもわからなかった。
ただ、大津港からミシガンが見られたこと、バギーの変顔の写真を撮れたこと。
この2点だけでも、アーカスに来た意義は十二分にあったと思う。

そこ,最初から変な顔とか言わない。

それは俺のセリフだ。


この時点ですでに3時過ぎくらいだっただろうか。
そろそろ草津サイドに戻らんとして、ひたすらに湖岸道路を自転車で走る事にした。
一体何kmあったのかは定かではないが、軽く見積もっても5kmは走ったはずだ。

そのまま近江大橋に乗ろうとしたところで小雨が振り出す。それまではよかった。

しかし、橋の中ほどまで来たところで、小雨は豪雨へと変貌を遂げた。
一番厄介なパターンだ。引き返すこともかなわず、目を開ける事しか出来ず。
どうにか料金所までたどり着くのに15分はかかったと思われる。
すでに4時。

その後、1時間ほど足止めを喰らった。
ここで分かった事は、同じ自転車といえども、ロードレーサー系の自転車のほうが無理をする確率は高い、という事だけであった。

5時。降り止んできた小雨を黙殺するように見切り発車。
しかしながら体が冷え切っていたので幸楽苑(ここでもまた彼は綴りを間違えている)のラーメンで少し小腹を満たす。
そしてミドリ電化に少し立ち寄る。
この時点ですでに6時過ぎであった。

そのまま帰還。午後7時前のことである。


このたびで幾つか気になったのだが、膳所方面に遠征しておきながら誰一人として知り合いに会わなかったこと、いつもは土日でもにぎやかなはずの校舎が深閑としていたこと。
そして、基礎体力では俺に優るはずのバギーのほうがすぐに疲れていたこと。
この3点、解決の糸口が見つかりそうにないのだが、どうだろう。